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雄町の家 ダイニング_edited.jpg

“食育こども園はぐっこ”

意匠設計、家具デザイン:盛田建築製作一級建築士事務所

構造監修:シマムラ建築工房

施工:株式会社 掛谷建設

場所は岡山市の郊外、使われなくなった古民家の一部を、日本の昔ながらの空間を感じながら遊び、学ぶことができる「現代の寺子屋」というコンセプトで、こども園に用途変更できないかというご要望から計画が始まりました。
築100年以上増改築を重ねてきたこの建物は、他の古民家と同様に現在の耐震基準を満たせていない状況でしたが、コストを抑えて耐震改修を行ってしまうと、現状の雰囲気を保てないような補強方法とになってしまうため、杉の柱、貫を用いた「耐震シェルター」を、建物の主要な柱の補強にもなるように2カ所設置する計画としました。
この耐震シェルターは、お寺の鐘つき堂と同じ、「段違い貫」による伝統的な木造の工法を採用しており、不要となれば容易に分解、撤去が可能な構造で安全性を確保しています。普段は子供たちが遊具のように遊んだり、お絵かきができる机にしたりできる建具や家具として機能するように構成しています。
また、シェルターの上部には、非常時に必要なヘルメットや懐中電灯など置いておけるスペースを設けてあります。

杉の3層パネルを使ってやわらかい曲線を用いた「ちゃぶ台」は、様々に組み合わせて使うことで、少人数から大人数でも使うことのできる形にしています。
もともとの建物の木部はすべて着色されていましたが、新しく改修した箇所はあえて着色せず、古いものとのコントラストをつけながら、木本来のぬくもり、素材感を生かした使い方を試みました。


・杉の耐震シェルター
「日本の木を使うインテリア家具・建具・雑貨コンペティション」準優秀賞を受賞

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